こんにちは!サクラソウ病院医師の若葉さつきです。
 
子宮頸がん セルフチェック子宮頸がんになる原因はHPVというヒトパピローマウイルスの感染です。ほとんどが性交渉によって感染します。
性交渉の経験がある女性なら誰でもなる可能性があるのが子宮頸がんです。

しかし、HPVに感染しても子宮頸がんを発症するのは0.15%程度で、通常は免疫力によって排除もしくは潜伏させるためほとんどの人は発症まで至りません。

とはいえ発症するまで数年から数十年かかるとも言われているので、自分だけはかからないだろうという過信は禁物です。

ここでは子宮頸がん危険度チェック、症状チェック、子宮頸がんの初期症状と進行した状態の症状、また子宮頸がんと間違われやすい病気などを紹介します。

 

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子宮頸がんセルフチェック

子宮頸がんはHPVの持続的な感染や、喫煙やストレスなどで発症リスクが高まると考えられています。
まずは子宮頸がんになりやすい生活習慣か危険度をチェックしましょう!

子宮頸がん危険度チェック

 
Q1. 性交の経験がある
Q2. 子宮頸がんの検診を受けていない
Q3. 喫煙している
Q4. 運動不足である
Q5. 不規則な生活をしている
Q6. ストレスがたまっている
Q7. 不特定多数と性交渉の経験がある
Q8. 肥満度(BNI)数値が25.0以上(肥満)もしくは18.5未満(痩せすぎ)である。
Q9. ホルモン補充療法を受けたことがある
Q10. 生理痛がひどく、日常生活に支障がある
Q11. パートナーとの性交経験が多い
Q12. 妊娠・出産経験が多い
Q13. クラミジアなどの性感染症に感染したことがある
Q14. 経口避妊薬(ピル)を5年以上内服している
※BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))

 

さつき先生

チェックの数が多い人は注意が必要です。特に子宮頸がん検診を一度も受けたことがない人は危険度大です。
2年に1回は子宮頸がん検診を受けましょう。

次は今の身体の状態をチェックしてみましょう。

子宮頸がん症状チェック

子宮頸がんの初期は自覚症状がほとんどありません。症状が出ることにはすでにがんが進行している可能性もあります。
ここで今の身体の状態をチェックしてみましょう。

 
Q1. 性交時や性交後に出血がある
Q2. 下腹部に痛みを感じる
Q3. 生理以外に不正出血がある
Q4. 不正出血やおりものが増えた気がする
Q5. 生理の際の出血量が極端に多くなった
Q6. 下腹部に固いしこりを感じる
Q7. 閉経したのに不正出血があった

 

ひとつでも当てはまるようであれば、一度受診をしてもらいましょう。
 
 

あおいあおい

先生、不正出血ってなんですか?


さつき先生

不正出血とは月経時の出血を除くすべての出血のことをいいます。
正常では生理時以外子宮から出血することはほぼありえません。
出血があったら、出血の色や状態、量、出血の頻度などを記録して婦人科の医師にすぐに相談してくださいね。


あおいあおい

はい。わかりました!
ちなみに、子宮がんはコンドームを使用していれば予防はできると友達から聞いたのですが?


さつき先生

子宮頸がんの原因であるHPVウイルスは確かに性交渉で感染するので、コンドームを使用していれば予防はできると思われがちなのですが、HPVは性器だけでなくその周辺にも感染しています。手指を通して感染しますので、大きな予防効果は期待できないのです。
「使わないよりかはいい」程度に考えておきましょう。

子宮頸がんの初期症状は?

初期の子宮頸がんの場合自覚症状はありません。ただし性交時の出血やおりものの変化などで比較的早い段階で症状がみられることもあります。
子宮体がんの場合は早い段階から不正出血があります。

自覚症状が少ない早期の段階でがんが発見された人のほとんどが子宮頸がん検診を定期的に受けている人だといわれています。

進行した子宮頸がんの症状とは?

子宮頸がんが進行すると、性交時の出血、月経時以外の出血(不正出血)が続く、おりものの色や性質に変化が認められるようになります。
例えば、茶褐色や黒褐色のおりものが増える、水っぽいから粘り気のあるおりものが増える、悪臭のあるおりものになるなどです。

子宮体がんが進行すると、下腹部痛や腰痛や背骨・下肢の痛みがあり、不正出血、排卵障害が原因の月経周期の乱れなどがあります。
このような症状があったらすぐ医療機関で受診をしましょう。

間違えやすい子宮頸がんに似た症状の病気は?

子宮の病気は子宮頸がんや子宮体がんだけでなく3人に1人は罹っているといわれる子宮筋腫などがあります。不正出血のようにがんと同じような症状が出ることもあります。
ここでは気を付けてもらいたい子宮の病気を紹介します。

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、成人女性の3人に1人は子宮筋腫を持っているといわれています。
30歳以上の女性が多く、複数できることが多く、数や大きさはさまざまです。

症状は月経量の増加、腰痛、頻尿、便秘、月経痛、不正出血など。また子宮筋腫が原因で不妊になったり流産しやすくなるといわれています。

子宮内膜症

子宮の内面以外で子宮内膜に似た組織が増殖する病気で、20~40代の女性の10~15%に子宮内膜症があると考えられています。

卵巣に子宮内膜症ができると、血液がたまり、チョコレートのう胞という良性の腫瘍になり、がん化や破裂の危険性があります。
主な症状は、重い月経痛、排便痛、性交痛、不妊などです。

卵巣のう腫

卵巣のう腫は、卵巣に血液がたまって大きくなった良性腫瘍を指します。
大きくなるまでは手術の必要はありませんが、7cmほどになると卵巣の根元がねじれることによる激しい痛みがあり、場合によってはショックで意識不明になることがあるので注意が必要です。
主な症状は、下腹部の膨らみ、下腹部にしこりがある、月経痛、便秘、頻尿、下腹部痛、腰痛です。

子宮頸管炎

子宮頸管炎は、子宮頸管の粘膜にさまざまな病原菌が感染して、炎症が起こった状態の事をいいます。最近ではクラミジアによる頚管炎も増えています。
主な症状は、黄色いおりものが出る、不正出血です。

子宮頸管ポリープ

子宮頸管ポリープとは子宮頚部にできるきのこ状の良性腫瘍です。小さいポリープの場合は経過観察で様子をみますが、細胞診をおこないがんでないことを確認する必要があります。

主な症状は、血液の混じったおりものでる、性交渉や排便時のいきみでの出血などです。

子宮内膜炎

子宮内膜炎は細菌感染による子宮内膜の炎症で、急性子宮内膜症と慢性子宮内膜症に分類されます。
症状は急性の場合、発熱、下腹部痛、腰痛、不正出血、おりものの増加などが見られます。
慢性の場合あまり自覚症状がありません。

まとめ

通常のがんの原因ははっきりとしていませんが、子宮頸がんに関してはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因であることがはっきりわかっています。

HPVは粘膜の接触によって感染するウイルスで感染自体は特別なことではなく、性交経験がある女性なら誰でも子宮頸がんにかかるリスクはあります。
子宮頸がんに関しては進行した状態で症状がでてから発見されることが多いので定期的に検査を受けることが大切です。

 

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監修者紹介

 

監修のドクター
この記事の監修

医療法人花仁会 秩父病院 外科部長

大野哲郎先生

専門は消化器・一般外科。平成12年群馬大学卒。医学博士。米国外科学会フェロー(FACS)。群馬大学大学院助教等を経て、平成25年に故郷である秩父市に戻り、秩父病院に赴任。腹腔鏡手術、上部下部内視鏡検査、早期癌に対する内視鏡治療、各種抗がん剤治療等に力を入れ、地域病院においても最新かつ最良な医療を提供できるよう日々努力を続けている。

参考文献・サイト

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