がん検診を受けるには?

さつき先生 がん検診を受けるには?
多くのがん検診を受けたがらない人は、

「受けるのが面倒くさい」
「がんはある程度年齢を重ねた人の病気だから私にはかかっていないだろう」
「結果を聞いたらショックだから受けたくない」
「忙しくって病院にいく時間がないよ」
「お金がない」

と言います。

しかし、一日あれば検査はできますし、住民健診であれば無料か安価で受けることができます。

がんは早くみつかるほど、治療が軽くすみ、生存率もあがります。
ほとんどの早期がんは自覚症状がありません。自覚症状がでたころには既に進行がんになっていることが多くあります。

早期で見つけるためには検診以外には方法はありません。
ここでは、がん検診を受けるにはどうしたらよいか、がん検診の種類を案内していきます。

この記事の監修
医療法人花仁会 秩父病院 医学博士外科部長
大野 哲郎 先生

 

がん検診を受けるには

格安・無料 市区町村のがん検診多彩な検査項目を組み合わせてできる 人間ドッグ
全身を一度で調べる PET検査自宅で採血 手軽な 血液検査キット

がん検診は「対策型検診」と「任意型検診」がある

がん検診は大きく分けて「対策型検診」と「任意型検診」があります。

対策型検診は、対象集団全体の死亡率を下げることを目的とし、市区町村が行う住民健診と職場から通知を受け取って受診する職域検診があります。

任意型検診は、自分が希望するがん検診をカスタマイズして受けるのが特長で、人間ドックなどの医療機関での受診が該当します。

なお、がん検診はあくまでも自覚症状のない人が前提です。自覚症状のある人はまずは医療機関で受診することをおすすめします。

「対策型検診」と「任意型検診」の違い

市区町村の住民健診などの対策型検診は、自治体が住民を対象としており、無料あるいは一部自己負担と比較的安価で受診できます。
実施時期や検査方法、自己負担額は自治体や健康保険組合によって異なります。

一方、人間ドックに代表される任意型検診は、個人が自分の死亡リスクを下げるために受けるもので、医療機関で受診します。
受けたい検査をカスタマイズすることができ、対策型検診でカバーできない検査も受けられます。
ただし全額自己負担で検査費用が高額なのがネックです。
※健保組合などで一定の補助を行っている場合もあり。

● 対策型検診と任意型検診の検診方法の比較

  対策型検診【住民健診など】 任意型検診【人間ドックなど】
目的 対象集団全体の死亡率を下げる 個人の死亡リスクを下げる
検診提供者 市区町村や職域・健保組合等のがん対策担当機関 特定されない
概要 検診対象として特定された人(一定の年齢範囲の住民など)
※ただし無症状であること。既に症状のある人、診療の対象となる人は該当しません。
定義されない。
※ただし無症状であること。既に症状のある人や、診療の対象となる人は該当しません。
検診費用 無料、あるいは一部小額の自己負担が設定される 全額自己負担。
※ただし健保組合などで一定の補助を行っている場合も有

出典:日本対がん協会 HP

平成28年度の内閣府の世論調査によると、がん検診の受診場所は、市区町村のがん検診が46.8%と約半数をしめ、職場のがん検診が27.0%、職場以外の個人検診(人間ドックなど)が26.8%となっています。

●がん検診の受診場所

がん検診の受診場所

出典:平成28年度 内閣府 がん対策に関する世論調査結果の概要

>>市区町村のがん検診の詳細はこちらから
>>人間ドックの詳細はこちらから

その他がん検診

市区町村のがん検診や人間ドック以外のがん検診では、全身のがんが一度に調べられる「PET検査」や、指先のほんのわずかな血液などをとるだけでがんのリスクをチェックできる「検査キット」があります。

PET検査

PET検査とは、全身のがん細胞を一度の検査ができる検査で、気になる部位はないけれど、とりあえずがんの有無をチェックしたいという人には最適な検査法です。

ただしPET検査には苦手な部位があります。
そこでPET検査とCT検査を組み合わせたPET-CTという検査を選ぶと、さらに精度が高くなり、一度で全身を撮影できるので時短につながります

>>PET検査の詳細はこちらから

検査キット

検査キットとは、自宅にいながらにして健康のチェックができる検査キットのことをいいます。

検査キットは主に血液や尿を使って調べます。
検査キットを使って自分で血液などを採取して検体を問診票と一緒に検査機関に送ると、1週間~10日ほどで郵便やメールで結果が戻ってきます。

自宅でできるので、気になる病気があっても病院に行く暇がない人や、誰にも知られずひとりで調べたい人におすすめです。

ただし検査キットは病気のスクリーニング検査です。
血液検査キットは検査内容によっては精度にばらつきがあり、病名の特定まで完全に行うことはできません。
病気の疑いがあるという結果がでたら、病院にいってきちんと診察を受けることになるので、検査キットは健康状態を知るためのツールとして考えるべきです。

>>血液検査キットの詳細はこちらから

まとめ

 

がん検診を受けるには?

がん検診には住民健診に代表される「対策型検診」と人間ドックに代表される「任意型検診」があります。
対策型検診は、対象集団全体の死亡率を下げるために行われ、任意型検診は個人の死亡リスクを下げるために行う検査です。

ほかには一度の検査で全身のがんをチェックできるPET検査、自宅にいながらがんリスクをチェックできる「検査キット」があります。

監修者紹介

 

監修のドクター
この記事の監修

医療法人花仁会 秩父病院 外科部長

大野哲郎先生

専門は消化器・一般外科。平成12年群馬大学卒。医学博士。米国外科学会フェロー(FACS)。群馬大学大学院助教等を経て、平成25年に故郷である秩父市に戻り、秩父病院に赴任。腹腔鏡手術、上部下部内視鏡検査、早期癌に対する内視鏡治療、各種抗がん剤治療等に力を入れ、地域病院においても最新かつ最良な医療を提供できるよう日々努力を続けている。

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