ガン検診と甲状腺ガン(その17)
がんには、5年生存率という言葉が TVドラマの影響で出回っているようです。この言葉の正確な意味をわかっていない人はおおいのではないでしょうか。この5年生存率という言葉と乳がんについて考えてみましょう。実際の診療の場では、乳がんの場合5年生存率ではなく、問題にするのは10年生存率です。5年生存率とはなんでしょうか。がんの発見から5年後に、生存している人の割合であることは当然です。がんの治療開始から5年後に、生存している人の割合、がんの発見から5年後に、再発せずに生存している人の割合、がんの治療開始から5年後に、再発せずに生存している人の割合といっていいでしょう。
また組織の一部は、診断に重要な染色体検査や遺伝子検査にも使われることがあります。遺伝子検査といっても、親から子へ遺伝する病気の有無について調べるものではなく、がん細胞が持っている特有の遺伝子の異常を調べるものです。診断ばかりでなく、治療の手がかりとしても非常に重要です。これらの検査によって、リンパ腫の病型が決定されます。病気の広がりをみる検査をします。悪性リンパ腫に対する最適な治療を選択するために、病気が体のどこに、どれくらい広がっているかを知ることが大変重要です。
腹膜播種が進むと腹水がたまってきます。横隔膜からさらに胸腔内にがんが拡がると胸水がたまってきます。リンパ節転移もよくおこります。これは後腹膜といって腹部大動脈の周りや骨盤内のリンパ節がはれ、次第に胸部や首のリンパ節にも拡がっていきます。 転移のない卵巣がんは手術だけで治りますが、転移した状態ではじめて治療を受ける場合は、手術だけですべてのがんをとり除くことはできません。残された腫瘍に対しては、手術後に抗がん剤による治療が行われます。
有効な治療法がみつかり、普及している種類のがんでは、受けた治療の内容や技術レベル、薬などの効き目、治療中や治療後の生活、治療後に受ける検査の方法によっても5年生存率は変わってきます。さらに、がんがみつかり、治療を開始したときの進行度が違えば5年生存率に大きな差が出ます。転移するかしないかにかかっているのです。ですから有効な早期診断法と治療法が、ともに普及しているがんでは、きちんとガン検診を受けて、早期発見、早期治療を行うことが重要なのです。ガンは予防できるということも忘れないでいてください。
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